top of page

The Ouroboros-00 ウロボロスの蛇

Pencil,copic and Paper

185×180mm

2022

Ai Shinohara


先日ある舞台観劇をしていたら、背景の舞台美術の中にウロボロスの蛇をモチーフにしている装置があり「そういえばウロボロスの蛇のことが昔気になって調べたことあったな」と思い出しました。


ウロボロスの蛇とは、自身の体で円(環)をつくり、尻尾を咥えている蛇のことです。しばしば竜で表現されることもあります。丸い円を表現している場合もあれば、真ん中で体をくねらせ、∞←無限のマークのかたちを表している場合もあり、完全、永遠、不滅、を象徴しているそう。


『語源は、「尾を飲み込む(蛇)」の意の「古代ギリシア語: (δρακων)ουροβóρος」(〈ドラコーン・〉ウーロボロス)。その後は、同じく「尾を飲み込む蛇」の意の「ギリシア語: ουροβόρος όφις」(ウロヴォロス・オフィス)と表現する。ウロボロスには、1匹が輪になって自分で自分を食むタイプと、2匹が輪になって相食むタイプがある。2匹のタイプの場合、1匹は何も無い素のままの姿だが(王冠を被っているタイプもあり)、もう1匹は1つの王冠と1対の翼と1対の肢がある。


ヘビは、脱皮して大きく成長するさまや、長期の飢餓状態にも耐える強い生命力などから、「死と再生」「不老不死」などの象徴とされる。そのヘビがみずからの尾を食べることで、始まりも終わりも無い完全なものとしての象徴的意味が備わった。』(Wikipediaより)



上記のようなことを調べているうちに、名古屋大学理学部 大学院 理学研究科/多元数理科学研究科 さんのサイトにたどり着きました↓



『ウロボロスの蛇は、自らの尾を飲み込み、はじまりとおわりが一致することから、永遠、不滅の象徴とされています。銀河系や星雲、太陽系、地球、大地、生物、細胞、遺伝子、分子、原子、クォーク、素粒子など、理学の研究対象を無限大のかたちの蛇のまわりに表現しました。理学の世界に理(ことわり)の美を見つけましょう。』



↑この発想と図像そのものがとてもおもしろく、理学の可能性の無限さに感動したのでその勢いで添付したドローイングを描いた次第です。



最後まで読んでくださりありがとうございました。


2022年11月17日noteにあげた記事に、加筆、修正を加えて再掲しました。

昔描いたドローイングが出てきたので解説を書きたいと思います。

2016年に描いた鉛筆画で、これはトレーシングペーパーに描いた下図です。本画は人にあげました。



Title:オマージュ「狩野一信・五百羅漢図」

Year:2016年

Media:Pencil and paper(鉛筆、トレーシングペーパー)

Size:10×15cm

作家蔵


幕末の江戸に生きた狩野一信(1816-1863)という絵師の描いた五百羅漢図へのオマージュ作品。


狩野一信の五百羅漢図とは、一信が10年の年月をかけて完成させた100幅(一幅は高さ約172cm、幅約85cmの大きさ、これが100幅!!)の空前節後の超大作。

一信はこの作品の制作で精神を追い詰め過ぎたのか鬱病にかかり、48歳で亡くなります。

最後の数幅は制作を手伝っていた奥さん(妙安さん)とお弟子さんが仕上げたそうです。


徳川将軍家の菩提寺である増上寺に大切に保管されてきたのですが作品が公にされることは少なく、2011年に江戸東京博物館で開催された「五百羅漢-増上寺秘蔵の仏画 幕末の絵師 狩野一信」(美術史家・山下裕二氏監修)で100幅が一挙に展示され、そのインパクトは絶大で広く知られることになりました。


こちらの山口県立美術館での展示ページからも作品がみれます。



この展覧会の後も増上寺の宝物展示室で何度もみてきたのですが、作品の細部にわたる執念ともいえる描き込みにいつも圧倒されます。心を病むまでに自分を追い込み、己の画道を走り抜けた一信の目の奥に最期にうつったものは何だったのか。


私がこのオマージュ作品で描いた場面は「第三十幅 六道 畜生」の一部です。


狩野一信「五百羅漢図」第三十幅 六道 畜生(部分)

羅漢さまが動物(畜生)らに教えを説いているシーン。

腹部からみせた仏様の神々しさに貢物をする猿も。


私は大学で油彩を学び、卒業後も油彩をメインに制作しつつも、日本美術や東洋美術、仏教美術も大好きで(仏教そのものの考え方に共感する部分が多いのと、作品そのものの繊細な表現に共鳴してしまう)、なのでこういうオマージュ作品はよく描きます。

仏教についてはまた改めて書きたいです。


最後まで読んでくださりありがとうございました。


篠原愛


※2022年10月24日にnoteにあげた記事に、加筆、修正を加えて再掲しました。


更新日:3月22日


こんにちは、篠原愛です。こちらのHPをご覧頂きありがとうございます。


自身の作品や活動について、きちんと語る場所があった方がいいと思い、こちらのBlogにまとめることにしました。しばらくはnoteと同時進行にする予定です。

探りながらの更新になると思いますが、よろしくお願いいたします。


今日は、以前noteに載せた自己紹介を、加筆修正して再掲します。


 

はじめまして、作家の篠原愛です。



具体的なお仕事内容。

・自身が制作した作品(主に油彩)を、ギャラリーや美術館で定期的に発表。作品集を出版。

・美術大学で主に基本的なデッサンや油彩の古典技法、絵画の表現方法を教える。


これまでのキャリアなど。

最終学歴: 多摩美術大学絵画学科油画専攻 2007年卒。

高校時にオリジナルイラストを商業誌に投稿、発表。大学時にイラストレーターとして活動を始める。大学在学中に村上隆主催の#GEISAI 10 で、油彩作品を発表し審査員賞を多数受賞、作家の道を志す。

その後、NYや日本のギャラリーで個展を開催、国内外のアートフェアや美術館での展覧会に参加。

映画監督・園子温の書籍『毛深い闇』の装丁に作品を提供。同監督の映画『ANTIPOLNO』の作品 中に作品が起用。  

2017年、初作品集『Sanctuary』(復刊ドットコム)を出版。『THE ドラえもん展』に参加。 

2021年、鹿児島市立美術館で、『フロム・ジ・エッジ』展に参加。

2023年、兵庫県立美術館と上野の森美術館で、『特別展 恐竜図鑑 -失われた世界の想像/創造』に参加。


2016年から女子美術大学で非常勤講師として勤務。


詳しくは Profile をご覧ください。



 

ここまで読んでくださりありがとうございました。


篠原愛

1
2
bottom of page